キャンプ

【キャンプ編③】自立式ハンモックの落とし穴。ポコさんが体験したキャンプの夜の寒さと対策

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僕の親友、ポコさんは、一度や二度の失敗では決して心が折れない男です。 (いや、すぐ折れるんですが、忘れるのも早いんです)

初めての宿泊キャンプでタープ泊に挑戦し、夜中にポールを蹴り倒してタープに巻き付かれた、あの壮絶な失敗。

▼前回のタープ泊崩壊事件(第3話)

普通なら「もう二度とテント以外で寝るか!」「布にくるまって寝るとか悪夢だ!」と、トラウマになるところ。

普通の人間なら、あの「ポールを蹴り倒し、布に巻き付かれ、暗闇でもがいた」恐怖の一夜を、最低でも半年は引きずるはずです。

しかし、彼は懲りるどころか、僕の想像の斜め上を行く「次なる夢」を見つけ出しました。

ポコさんのすごいところは、失敗の「苦痛」を忘れるスピードが、光の速さなこと。
いや、忘れるというより、彼の脳内では「楽しかった」という記憶に上書き保存されるんです。

そう――「ハンモック泊」です。

「次は、ハンモックで泊まりたい!」

(……また布で寝るのかよ!)

タープという「一枚の布」で失敗した男が、次に選んだのがハンモックという「一枚の布(網状)」でした。

再び僕の不安をよそに、彼の「俺流キャンプ伝説」の新しい幕が(勝手に)上がったのです。

懲りない男の夢:なぜ「自立式ハンモック」でキャンプ泊なのか?

僕たちがよく利用するキャンプ場、「アウトドアガーデンいなぶ」
あそこは、ハンモックを吊るすのにちょうど良い木があまりない、開けたサイトです。

普通のハンモック泊は、頑丈な木が2本なければ始まりません。

しかし、ポコさんは諦めない。
彼はネットで解決策を見つけてきたのです。

彼が見つけてきたのが、「自立式ハンモックスタンド」でした。

「ななかふぇさん、これなら場所を選ばずに泊まれるわ」

と得意げに語る姿に、僕は(また面倒なものを…)と思いつつ、その発想には少しだけ感心しました。

たしかに、自立式ハンモックなら、林間サイトじゃなくても設営できる。
木を探してキャンプ場をウロウロする必要もない。
これは賢い選択です。…選択だけは。

しかも、彼は前回のタープ泊の失敗を(少しは)学んだのか、彼なりに勉強したようでした。

前回の失敗は「ポールを蹴り倒して、タープ(屋根)が崩壊した」こと。

だから彼は、今回は「崩壊しない屋根」を完璧に準備してきたのです。

「ななかふぇさん、これなら場所を選ばずに泊まれるし、上にもタープを張って屋根も作ったから完璧ですわ」

と、前回(タープ泊)とは打って変わって、自立式ハンモックスタンドを支柱に利用し、しっかり雨風をしのぐ「屋根」まで対策していたのです。

(おお、ちゃんと勉強してるじゃん…)
(タープ泊の失敗を糧に、タープを屋根として使うとは…成長したな!)

僕は、この時ばかりは素直に感心していました。

▼実際のポコさんのハンモック泊の写真

彼の言う通り、屋根の対策は完璧でした。
雨が降っても、夜露が降りても、これで安心です。

…そう、対策が完璧だったのは、「上から」の脅威に対してだけだったのです。

彼は、キャンプの本当の敵が「下から」来ることを、まだ知らなかった。

【失敗談】忠告無視!GWの夜にハンモックで凍えるポコさん

ななかふぇの忠告 vs ポコさんの楽観主義

そして、運命の日。
季節は、ゴールデンウィークの真っ只中。

昼間は「暑い」とすら感じる、ぽかぽか陽気です。
Tシャツ一枚で、ビールがうまい。
「いやー、キャンプ最高だね、ななかふぇさん!」とポコさんも上機嫌です。

しかし、山の夜は、容赦なく牙をむきます。
太陽が沈むと、気温は一気に急降下する。

夜の寒さを身をもって知っていた僕は、焚き火にあたりながら、何度も、何度も、ポコさんに忠告しました。

「ポコさん、屋根は完璧だけど、ハンモックはヤバいよ」
「テントと違って、背中がずっと空気に触れてるから、体温全部持っていかれるよ」
「マジで、地面で寝るより寒いから。ちゃんと寒さ対策しないと、マジで死ぬよ」と。

僕の必死の忠告。
しかし、彼の耳にはその言葉は届きません。

彼は「楽観主義」という名の最強の盾を構え、

「大丈夫、大丈夫。何とかなるでしょ」

と、僕の全ての警告を弾き返してしまいました。

昼間のポカポカ陽気が、彼の危機感を完全に麻痺させていたのです。

「ななかふぇさんは心配性だなあ」とすら思っている顔でした。

そして、彼がその夜のために用意したのは、たった一枚の、心もとない「毛布」だけでした。

(え、毛布? 一枚?)
(寝袋じゃなくて? 毛布??)

(……あ、これはダメなやつだ)
(もう知らん。俺は言った。確かに言ったぞ)

(これだけ言っても聞かないのなら自己責任だな)

(それに…彼が夜通し、あの宙に浮いたハンモックの上で、ブルブル震えながら寒さで凍える姿を想像すると…)

(……ちょっと面白いかもw)

その、観察者としての非常に意地悪な期待を胸に、僕は万全の装備(テント+冬用寝袋+マット)で、暖かい眠りについたのでした。

▲天然のプラネタリウム

翌朝、期待を裏切らない「後悔の背中」

翌朝。

パチパチと薪がはぜる音と、香ばしいコーヒーの匂いで僕は目を覚ましました。 (僕が自分で淹れた、モーニングコーヒーの匂いです)

テントから這い出し、熱いコーヒーをすすりながら、ポコさんのサイト(という名の処刑台)に目をやると…

そこには、僕の期待を1ミリも裏切らない、完璧な光景が広がっていました。

焚き火の前で、小さな椅子に座り、

小さく丸まって、

(あの巨体が、ですよ?)

必死に暖を取る、しょんぼりとしたポコさんの大きな背中…。

それはもう、哀愁とか、後悔とか、そういう言葉をすべて背負ったような、見事な「敗北者の背中」でした。

僕は、ニヤニヤが止まらない顔を隠しながら、彼に優しく声をかけました。

「ポコさん、おはよう。昨日は…よく眠れた?」

すると、彼は力なく顔を上げ、か細い声で、僕の期待通り、100点満点の返答をしてくれたのです。

「……寒くて、一睡もできなかった…」

「ななかふぇさんの言う通りにすれば、よかった…」

これぞポコさん。
これぞ様式美。

「だろうね!」という言葉をグッと飲み込み、僕は彼に熱いコーヒーを差し出しました。

僕は朝から、極上のエンターテイメントを見せてもらった気分でした。

【解説】なぜハンモック泊は失敗したのか?(寒さ対策の重要性)

今回のキャンプ失敗談、敗因は明確です。

それは「ハンモックはテントより寒い」という、物理の法則を知らなかったこと。

いや、僕が教えたのに、聞かなかったこと。

ポコさんは「屋根」の対策はしましたが、「下からの冷え(底冷え)」という最大の敵を見落としていました。

キャンプ初心者が陥りがちなのが、「冷気は地面から来る」という誤解です。
だから、「地面から離れれば(=ハンモック)、寒くないはず」と考えてしまう。

これが、大きな間違い。

本当の敵は、主に2つあります。

1つ目の敵は「対流(=空気の流れ)」です。
布一枚で宙に浮いているため、背中側が常に冷たい外気にさらされます。風が吹けば、その冷たい空気がハンモックの下を通り抜け、容赦なく体温を奪っていくのです。

そして2つ目の、そして最大の敵が「断熱材の圧迫」です。
たとえ性能の良い寝袋(シュラフ)に入っていても、意味がありません。
なぜなら、寝袋が暖かいのは中の綿(ダウン)が作る「空気の層」のおかげなのに、自分の体重で背中側の綿が潰れてしまうと、その「空気の層」がゼロになるからです。
結果、ただの布きれ一枚となり、断熱効果がなくなってしまうのです。

ポコさんのように、GW(春)だからと油Dんし、「毛布一枚」で挑むのは、もはや自殺行為。

山の夜は、昼間がどれだけ暖かくても、普通に冬の気温(5℃以下)になります。

「昼間は暖かい」=「夜も暖かい」ではない

この、キャンプ初心者が陥る、最大の「失敗」の罠に、彼は真正面から突っ込んでいったのです。

(この失敗、実は僕もキャンプ始めたての頃に「ポコさん」とまったく同じことをやらかしてます。昼間暖かいから毛布で大丈夫でしょwとコット(簡易ベッド)で寝て、背中から来る冷気で一睡もできませんでした…人のこと笑えませんねw)

【おすすめアイテム紹介】ハンモック泊の失敗を防ぐギア3選

今回のポコさんの失敗(というか自爆)から学ぶ、ハンモック泊の寒さ対策と、おすすめアイテムを紹介します。
彼のようになりたくなければ、絶対に読んでください。

1.【場所を選ばない】自立式ハンモック

まず、ポコさんが選んだ「自立式ハンモック」。
これは、大正解です。(道具の選択だけは)

林間サイトでなくても、木がない場所でも、どこでもハンモック泊が楽しめる。
これは、キャンプのスタイルを広げる素晴らしいアイテムです。
彼のように耐荷重200kgとかなら、巨漢でも安心ですね(笑)

「ハンモック泊したいけど、良い木がない」という悩みを、これ一台で解決してくれます。

2.【寒さ対策の要】冬用寝袋 + アンダーブランケット

ポコさんが失敗した最大の原因。
ハンモック泊の寒さ対策は、寝袋だけでは不十分です。

寝袋は、最低でも**冬用(0℃以下対応)**を選びましょう。

そして、最強の寒さ対策は「アンダーブランケット」です。

これは、文字通り「ハンモックの下(アンダー)につける毛布(ブランケット)」。
ハンモックの下側(外側)に、もう一つの寝袋のように装着する防寒具です。

これの何がすごいかと言うと、

「体重で潰れない」

のです。

ハンモック本体とあなたの体の「外側」に、ふんわりとした「空気の層」を作ってくれる。
これで、背中から体温を奪う冷たい空気を完全にシャットアウトできます。

これこそが、ポコさんが(そして僕も)知らなかった、ハンモック泊の正解だったのです。

3.【防風・防寒】ハンモック用タープ

自立式ハンモックとはいえ、雨や夜露、そして「風」は防げません。
風が吹けば、体感温度は一気に下がります。

ハンモックの上を覆うように、小さめの「タープ」を張ることで、風と冷気を防ぎ、格段に快適になります。
(彼は今回、屋根はしっかり対策できていましたが、風よけとしてもさらに重要です)
ポコさんがタープ泊で失敗した「タープ」が、ここで活きてくるのです。皮肉なものですね。

まとめ:愚者は経験から逃げ出した(そして即売却)

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉があります。

僕もポコさんも、間違いなく後者の「愚者」。
僕も過去に数々の失敗をしてきたので、体で痛みを感じないと学ばない彼のことは、笑えません。

しかし、彼のすごいところは、ここからです。

あれだけ憧れていた、ハンモック泊。
たった一度の「寒かった」という失敗で、彼の心は、ポッキリと折れてしまいました。

彼は家に帰るなり、あんなに「場所を選ばない」と自慢していた自立式ハンモックとスタンドを、即、売却してしまったというのです。

彼は「経験」から学んだのではありません。
ただ、「痛い(寒い)」という苦痛から、逃げ出しただけなのです。

(ちなみに、彼が即売却した「自立式ハンモック」自体は、記事の目的で書いた通り、場所を選ばない素晴らしい道具です。悪いのは道具ではなく、使い方を間違えたポコさんなのです…)

これぞポコさん。
欲望には忠実だが、苦痛にはとことん弱い(笑)

後日、ポコさんに冗談でこう言ってみました。
「ハンモックで寒かったら、下から焚き火をしたら暖かくなるんじゃないか?」と。

すると彼は、

「炙りチャーシューになるやろがい!」

と、ノリノリで返してきました。
自分のしくじりすらも、こうやって瞬時に笑い話に変えてしまう。
彼のその、どうしようもない明るさだけは、尊敬できるのかもしれませんね(笑)

ななかふぇより:記事の感想(学びのコメント)

ななかふぇ

凍えて一睡もできなかった夜のことですら、翌日には「炙りチャーシュー」という「ネタ」として披露できる。

これは彼のどうしようもなさであり、同時に大きな強みでもあります。

読者のみなさん。
人生で失敗や後悔はつきものですが、それをただ避けるのではなく、「笑い」に変える余裕を持てたら、きっと前向きに進めるはずです。

大事なのは、失敗から逃げることではなく(ポコさんは逃げましたが)、そこにユーモアと学びを見いだす力。

▼ポコさんの「すべて」を知る(プロフィール)


▼次のキャンプ失敗談(第5話)はこちら

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