冬のキャンプの夜。その一番の楽しみといえば、やはり焚き火を囲んで食べる温かいご飯でしょう。
自作オイル缶ストーブが灼熱地獄!ポコさんが火傷した10フレームの悲劇から、また違う日のキャンプ。
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僕の親友、ポコさんと二人で訪れた、愛知県豊田市にある、お気に入りのキャンプ場「アウトドアガーデンいなぶ」。
吐く息も白くなる寒空の下で、僕たちがその夜のメインディッシュとして選んだのは、熱々の「もつ鍋」でした。
アウトドアガーデンいなぶ(リンク先)
【HP】https://www.oinabu.net/
【GoogleMap】https://maps.app.goo.gl/bkgBAp2QuGg6kFZU8
プリプリのもつ、たっぷりの野菜、そして体の芯から温まる旨味の凝縮されたスープ。 僕とバズさんは、焚き火の炎に照らされながら無言で鍋をつつき続けました。
具材もほとんどなくなり、鍋の底が見え始めた頃、いよいよクライマックスの時間がやってきます。 ポコさんが「これ、めっちゃ美味いんやで!」と自信満々に持ってきた、こだわりの生ラーメン。
これを鍋に残った最高のスープに入れて、究極の「シメ」を作る。考えただけで喉が鳴ります。
そう、あの悲劇(いや、喜劇か?)が起こるまでは…。
▼もつ鍋の生前の写真と焚火


悲鳴と、茶色い大地
先に僕が自分の分のラーメンをよそい、次にポコさんが鍋に箸を伸ばした、その瞬間でした。 少し僕がよそ見をしていたら、「あっ!!!!」という彼の悲鳴が、静かなキャンプ場に響き渡りました。
振り返ると、そこには信じられない光景が広がっていました。
バッシャーン、という派手な音と共に、僕たちの夢と希望が詰まったもつ鍋が、地面にぶちまけられていたのです。
その時、いい感じにお酒も回っていたポコさんは手元が狂い、あろうことか鍋をまるごとひっくり返してしまったのでした。
地面に広がる、無残なもつ鍋とラーメンの残骸…。
ポコさんはみるみるうちに真っ青になって、「ごめんごめん!ほんとうにごめん!」とひたすら謝罪を繰り返します。
罰ゲームという名の、神対応
普通なら、そこでブチギレてもおかしくありません。
しかし、必死に謝る彼の姿と無残に横たわる鍋を見ていたら、なんだかそのあまりにも完璧な悲劇の構図に、僕は思わず大爆笑してしまいました。
ここで怒っても、せっかくの楽しいキャンプが台無しになるだけだ。 そう思った僕は、彼に最高の「罰ゲーム」を提案しました。
「ポコさん、もうこぼしたものは仕方ない。罰として、今まさにもつ鍋をこぼした瞬間のポーズ取ってくれ!記念撮影や!」
僕のあまりにも予想外の提案に、ポコさんも空気を察して素直に応じました。 こぼれた鍋の前に立ち、「ああ、やっちまった…」という100点満点のポーズを取るポコさん。
僕は、そのあまりにも面白い悲劇の主人公の姿を、写真に収めたのでした。
▼これが伝説の一枚。あまりにも完璧な「やっちまった」ポーズ。

【あとがき:今も語り継がれる、もつ鍋の伝説】
この「もつ鍋ひっくり返しちゃった事件」は、今でも僕たちの間では語り草になっています。 ポコさんが何か新しい失敗をしでかした時、僕は決まって意地悪くこう言うのです。
「まあ、あの時のもつ鍋も、ひどかったよなぁ~」と。
すると彼は、少しだけ照れくさそうに、そして申し訳なさそうにこう返すのです。
「も~、あの時はごめんて…w」
失敗は、ただの笑い話になるだけではありません。 時には、二人の友情を確かめ合うための、温かい合言葉にもなるのかもしれませんね。
▼夜の焚火が一番好き。 気温は5.9度でした


失敗は、誰にでもあります。
でも、その、どうしようもない失敗を、怒りや、悲しみで終わらせるのか、それとも、笑い話という、最高の「思い出」に変えるのか。それは、自分たち次第なのかもしれません。
あの日の、もつ鍋の味は、もう、忘れてしまいました。
でも、地面にぶちまけられた、落ちたもつ鍋と共にポーズを取る、親友の姿は、きっと、一生、忘れないでしょう(笑)。
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