無事にソロキャンを成功(?)させたポコさん。彼には独自のこだわりと信念があります。
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はじめに:彼の、二つの「掟」
僕の親友、友人のポコさんのキャンプには、彼だけが信奉する、絶対的な、二つの「掟」が存在します。
- 掟その一、「全てを黒で染め上げよ」
- 掟その二、「僕と、同じものを持つべからず」
この、思春期の少年のような、独特なこだわりが、彼のキャンプを、唯一無二の、面白くて、そして、ちょっぴり面倒な、物語に仕立て上げているのです。
反逆の、黒き魂
僕が、どんなに、便利で、評価の高いキャンプギアを勧めても、彼は、頑なに、それを拒否します。
僕の、コンパクトで便利な火吹き棒を、「それ、ええなぁ」と、羨ましがるくせに、自分は、わざわざ、もっと大きくて、使いにくい物を、探して買ってくる。
僕の、初心者向けのワンポールテントを見て、「設営、楽でええなぁ」と、褒めるくせに、自分は、あえて、上級者向けのタープ泊に、挑もうとする。
僕の、使いやすいコールマンのファイヤーディスクを、「ええなぁ」と、何度も言うくせに、絶対に、同じものは買わない。
そして、全く違う、奇妙な形の焚き火台を購入し、2、3回使ったかと思えば、すぐに飽きて、また、別の焚き火台を探して持ってくるのです。
時には、100円ショップや、廃棄品で、オリジナルのキャンプギアを自作してくることもあります。
100均で作ったエピソードはコチラ
【しくじり観察日記2】友人B、100均の芸術作品で焚き火に挑む。【俺流キャンプ伝説・第1話】
その、涙ぐましいほどの「反逆の魂」は、ただのブームに乗っただけではない、彼なりの、キャンプへの、純粋な愛情の裏返しなのかもしれません。
以前、僕が、彼に尋ねたことがあります。
「なんで、そんなに、黒色のギアに、こだわっているの?」と。 すると、彼は、少し、照れくさそうに、こう答えました。
「黒色のがかっこよくて、中二病っぽいから!」
39歳のおじさんの口から、迷いなく放たれた、その言葉。僕は、もう、笑うしかありませんでした。
【寝袋がなぜか水色なのはご愛敬】


※手前のカートはななかふぇの物です
黒一色の、異様な光景
そして、その、二つの掟を守った結果、彼のキャンプサイトは、実に、異様な光景となります。
タープ、ハンモック、テーブル、イス、収納ボックス…ありとあらゆるアイテムが、全て、黒。
その結果、遠くから見ると、まるで、カラスの集会のように、真っ黒な一角が、キャンプ場に、浮かび上がっているのです。
そして、この「黒一色」のこだわりは、夜になると、致命的な欠点を露呈します。 闇に、全てのギアが溶け込んで、全く、見えなくなってしまうのです。
夜のキャンプ場はランタンの灯りだけでは視認性が悪く、僕が、夜中に、トイレに行こうとして、彼のキャンプギアを踏んでしまったり、足をひっかけて転びそうになったことは、一度や、二度ではありません(笑)。
彼の、この、黒への執着は、今に始まったことではなく、昔、彼が乗っていた、バイクのホンダ・フュージョンとジャイロアップもまた、漆黒だったことを、僕は、思い出しました。
HONDA 漆黒のフュージョン

HONDA 漆黒のジャイロアップ

こだわりと矛盾
僕の考察だと黒色で統一しているキャンパーはそんなにいないので個性を出しやすいのと、色を選ぶのを考えるのが面倒くさいからと理由なのだと思います。(なぜ黒色が少ないとまでバズさんは考察してはなさそうですが)
唯一、僕が真似をされて許せなかったのが、僕が焼肉用の銀色のトングをキャンプの時に使っていたらバズさんが「それはいいなぁ」と言って次のキャンプの時に全く同じやつを購入してきたことです。
僕と同じ道具を使うのは問題ないのですが、こだわるなら、せめてそこは黒色のトングを購入してほしかったw
【まとめと、僕のコメント】
なぜ、彼は、そこまで「黒」と、「僕と違うこと」に、こだわるのでしょうか。 それは、僕の分析によると、「色を選ぶのが、面倒くさい」という、彼の、根本的な安楽主義と、「人とは違う、俺は、個性的だ」と、思われたい、見栄っ張りな心が、奇跡的に、融合した、彼だけの「俺流」の、哲学なのでしょう。
彼の、その、面倒くさくて、愛おしい『こだわり』には、いつも驚かされます(笑)。僕なら、ギアの選択肢を狭めないように、色は柔軟に選びますが、彼は、不便さよりも『俺流』を優先する。そんな、どうしようもない彼だからこそ、僕たちのキャンプは、いつも予測不能で、面白いのかもしれませんね
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