キャンプ

【しくじり観察日記11】友人、溶接工への転身を夢見る。~自作ストーブと、親友の祈り~【~俺流キャンプ伝説・第10話~】

はじめに:彼の、尽きることのない、創造意欲

寝床をの沼にハマったポコさん。彼の想像力は止まりません。

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僕の親友、友人ポコさんの「俺流キャンプ」は、ついに、既製品を「買う」ことすらやめて、「創造」という、新しい領域へと足を踏み入れようとしていました。

その伏線は、確かにありました。 彼が、最初のデイキャンプで、100円ショップの材料だけで作り上げた、あの奇妙な「自作焚き火台」。

そして、冬のキャンプで、20リットルの巨大なオイル缶を改造して作り上げた、あの、燃焼効率の悪い、怪物のようなストーブ。

他にもいくつか自作のキャンプギア持ってきて僕に披露してくれたこともあります。彼は、昔から、自分だけの、オリジナルなものを創り出したいという、強い、強い、創造意欲を、その胸に秘めていたのです。

溶接工への、壮大な夢

ある日、僕たちが名古屋のパルコに行って「ちいかわラーメン 郎」にて順番待ちの時に彼が、突然、宣言しました。

「冬キャンプ用のストーブが欲しい。でも、市販のやつで、ちょうど自分が欲しいサイズがないから、自作する!」

その、あまりにも突拍子もない計画に、僕は、思わず、興味を惹かれ、詳しく話を聞くことにしました。

彼の計画は、壮大でした。

「 Amazonで、1万円ほどで売っている、家庭用の溶接機を取り寄せ、鉄板を加工して、自分だけの、理想のストーブを作りたいのだ」と、彼は、熱く、語ります。

その瞳は、新しいオモチャを見つけた、子供のように、キラキラと輝いていました。 【バズさんが欲しい溶接機】

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※画像引用元:MJUM アーク溶接機【溶接専門家松本氏監修】公式サイト

親友の、胸騒ぎ

しかし、その、壮大な夢物語を聞きながら、僕の頭の中は、冷静な「コスト計算」と、そして、何より、「心配」の気持ちで、いっぱいになっていました。

僕の頭の中のそろばんが、答えを弾き出します。

(溶接機に、保護メガネ、皮手袋、特注した鉄板、その他の材料…。合計で、3万円は、軽く超えるな。市販品の方が、安くて、安全じゃないかな…?)

そして、僕が、一番恐れていたこと。 それは、安全性が、全く担保されていない、自作ストーブで、彼が、大怪我をしてしまう、未来の光景でした。

自作ストーブを使ってちょっと失敗だったら笑い話になるんだけど、寝てる時にストーブが壊れたら大惨事になる可能性があります。

さすがに危険だから僕は「やめておけ」 その一言が、喉まで出かかっていました。しかし、彼の、あの、キラキラした夢を、僕の手で、壊したくはなかった。僕は、何も言えませんでした。

その、複雑な心の内を、ただ、隠すしかありませんでした。 バズさんも自分で考えたアイデアに水をさされると気分が悪くなると思うので見守る事にしました。

ポコさんのことだから、一酸化炭素中毒の危険性も軽く考え「大丈夫、大丈夫、換気するからw」とか言っていて、朝になったら固まってる未来しか見えない。

僕の人生学で「人間はつまらないことでうっかり死んじゃう」という考えがあります。 これは、当たり前だけど、人間はくだらないことでけっこう死んでる。ダーウィン賞という世界的に不名誉な賞があるぐらいです。

ダーウィン賞は、自らの愚かな行為によって「死亡する」もしくは「生殖能力を喪失する」ことで劣った遺伝子を抹消し、「人類の進化に貢献した」人物に対する皮肉として贈られる賞。進化論者であるチャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられた。 優れた業績を挙げた生物学者に授与されるダーウィン・メダルとは全く関係が無い。

思いがけない出来事で死ぬより、こんなことで死ぬの?って事例がたくさんあるからです。(「死ぬ」を「ケガ」をするに置き換えても同じ意味になります)

【まとめと、後日談】妄想の果てに、彼が見つけた答え

彼のその壮大な計画は、僕の予想通り妄想だけで終わりました。 なぜなら、コストと面倒くささという現実の壁を、あの彼が乗り越えられるはずがなかったからです。

彼が、本当にしたかったのは、「ストーブを作る」という、地道な「行動」ではありません。 「自作ストーブを作っている、カッコいい俺」を、妄想しているだけだったのです。

あれから数日後、僕は、ポコさんに、ストーブの件について尋ねてみました。 「今年の冬にストーブ自作するの?」と。

すると彼は少し照れくさそうにこう答えました。

「いろいろ考えたけど、自作ストーブより既製品の方が安全で安くなりそうだから諦めた」と。

それを聞いて僕は、(やっぱり、ポコさんだなぁ…)と、思い安心したようなちょっと残念なような複雑な気持ちを抱きました。

それ以降、自作ストーブの話題が、僕たちの間で、出ることはありませんでした。

ななかふぇ

彼の、尽きることのない創造意欲だけは、本当に尊敬します。でも、その情熱が、現実の壁の前で、あっさりと鎮火するのも、また、彼らしい(笑)。今回は、彼が、自ら、賢明な判断を下してくれたことに、親友として、心の底から、安堵しています

キャンプ編は一旦ここで終わります。エピソードが追加されたらブログに追加しますね。

次回はいよいよポコさんの恋愛エピソードの【キャバレー花園編】が始まります!ポコさんは一体どんな女性関係を望んでいるのか?

お楽しみに!

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