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【僕たちの物語】ポコさんとの出会いは、ニコニコ生放送だった。~スト4全盛期と、一度だけの別れ~

2010年――深夜の部屋に響くアーケードスティックの音。
パソコンのモニターには「ニコニコ生放送」のコメントが弾丸のように流れていた。

当時の僕にとって、世界の中心は「ストリートファイター4」だった。
仕事から帰ってきて、食事もそこそこに配信ボタンを押す。
勝てば「うおお!」と盛り上がり、負ければ「ざまぁw」と荒れるコメント欄。
その緊張感と熱狂に、僕は毎晩のように取り憑かれていた。

そんな中、画面の向こうに現れた一人の名前――「ポコ」。
最初は、数多いリスナーの一人に過ぎなかった。
コメントをくれる常連のひとり。ただそれだけ。

けれど、彼もまた配信者だった。
お互いの放送を行き来し、自然とオンラインで対戦するようになった。
ポコさんはまだ荒削りだったけれど、どこか光るものを持っていた。
僕が圧倒的に勝つことが多かったけれど、不思議と彼との対戦は楽しかった。
画面の向こうでコントローラーを握りしめ、本気で悔しがっている姿が目に浮かんだからだ。

そのうち、僕らは「ただの配信者とリスナー」ではなく、かけがえのない「仲間」になっていった。


名古屋での初対面――オフ会が友情に変わった瞬間

やがて僕らの交流は、画面の中だけに収まらなくなった。
名古屋・大須で行われていたゲーム大会「名古屋ストリートバトル(NSB)」。
そこにポコさんを含む配信仲間を誘い、僕らはリアルでも顔を合わせることになった。

初めて会ったポコさんは、やっぱり想像通りだった。
不器用で、でも人が良さそうな、どこか憎めない大きな男。
大会が終われば商店街を歩き、B級グルメを楽しみ、試合の話で盛り上がる。
時には足を延ばして「喫茶マウンテン」に珍しいパスタを食べに行くこともあった。
年齢も職業もバラバラなのに、まるで学生時代のように、再び青春を過ごしている気分だった。

気がつけば、ポコさんや仲間たちが僕の家に雑魚寝しに来るのも当たり前になっていた。
「ゲームがあれば、何時間でも笑える」――あの頃の僕らは、ただ純粋にそう思えていた。


静かな別れ――ゲームの終焉と時間の流れ

しかし、どんな熱狂にも終わりは来る。
あれほど夢中になったストリートファイター4の時代が終わり、続編「5」へと世代交代が始まった。

ゲームが変われば、人も離れる。
共通の話題を失った僕らは、自然と集まる機会を減らしていった。
さらに僕自身の仕事や引っ越しも重なり、二人の距離は少しずつ遠ざかっていった。

喧嘩をしたわけでもない。嫌いになったわけでもない。
ただ、時間の流れが僕たちを違う場所へ運んでいっただけだった。


まとめ――再び始まる物語の予兆

これが、僕とポコさんの出会いの物語。
ニコ生の画面越しの好敵手から始まり、リアルの友人となり、そして一度は離れていった。

でも、この物語はここで終わりじゃない。
数年の時を経て、再び僕たちは出会うことになる。
そこで始まるのが、「欲望のピーターパン」という物語の、真の序章だったのだ。

その話は、また次の機会に語ることにしよう。


ななかふぇ

「人生って不思議だな」と思います。
たった一つの趣味や遊びが、人との出会いや未来を大きく変えることがある。
あなたにもきっと、そんな「偶然から始まる物語」があるんじゃないでしょうか?
もし今それが目の前にあるなら、ぜひ大切にしてほしいです。

▼伝説となるポコさんとのアウトドアエピソードはコチラ

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