序章:新たなる沼と、100均の甘い罠
愛知牧場での、あの衝撃的な「着火剤直塗り&逆ギレ事件」。
▼すべてはここから始まった(キャンプ編 第1話)
あの大失敗で、僕たちはすっかりアウトドアの楽しさに目覚めてしまいました。 いや、正確には「ポコさんとキャンプに行くと、とんでもなく面白い事が起きる」という事実に、僕が目覚めてしまったのです。
次なるステップとして、僕たちは「デイキャンプ」に挑戦することに。
当然、ポコさんはキャンプ道具は一つも持っていないので、言い出しっぺの僕が事前に二人分を用意することにしました。
僕は、二人分の道具を車に詰め込みました。 焚き火台、テーブル、そして何より重要なのが「イス」。
ポコさんは当時、体重100kgを余裕で超える巨漢。 生半可なイスでは、彼が腰掛けた瞬間に「バキッ」と崩壊し、キャンプ終了のお知らせになりかねません。
僕は、耐荷重150kgを誇る、頑丈なキャンプチェアを彼のために用意しました。 (それでも彼が座るたび、フレームは「ミシミシ…」「ギギ…」と、恐怖の悲鳴を上げていましたが…笑)
完璧な準備を整え、意気揚々と迎えた当日。 ポコさんが、やけに自信満々な顔で、高らかに宣言しました。
「俺も、自分で揃えられる道具は、100均で揃えるから!」
……100均?
バーベキューの、特に「火」を扱う道具を、100均で?
僕は一抹の不安を覚えましたが、本人のやる気を止める理由もありません。 「おお、ついにポコさんも自立か」と、むしろ感心していました。
この一言が、後に「犬山の奇行」として語り継がれる、伝説の事件の幕開けになるとも知らずに。
目次
体験談:犬山に現れた「奇妙なオブジェ」
舞台は、愛知県犬山市にある「アウトドア・ベース 犬山キャンプ場」。 木曽川沿いの、とても景色の良いキャンプ場です。
僕がテントやタープをせっせと設営している、その横で。
ポコさんは、まるで宝箱でも開けるかのように、自信満々に「風呂敷」を広げました。 (なぜ風呂敷なのかは、ポコさん哲学なので僕にも分かりません)
そこから登場したのは、いかにも100均で揃えたという数々のキャンプ道具達。
そして、その中心に鎮座していたのが、彼が最も誇らしげに掲げた自作品。 彼いわく「焚き火台」でした。
そこから登場したのは、いかにも100均で揃えたという数々のキャンプ道具達。
そして、その中心に鎮座していたのが、彼が誇らしげに設置した自作の「俺流ギア」二大巨頭でした。
作品(1):メタルラック・テーブル まず目に付いたのが、写真の右端にひっそりと写る、100均のメタルラックのパーツを組んだだけのローテーブル。 不安定すぎて、飲み物を置くのもためらわれる、芸術的な逸品です。
作品(2):蒸し器・焚き火台 そして、僕の度肝を抜いたメインディッシュが、彼いわく「焚き火台」でした。
いや、違う。 あれは焚き火台じゃない。
それは、現代アートの美術館に展示されていそうな、「奇妙なオブジェ」でした。

ひょろひょろと頼りなく伸びた、100均のメタルラックの足(40cm)。
その頂点に、なぜかボルトとナットで無理やり固定されている、「ステンレス製の折りたたみ蒸し器」。
そう、あの中央部がパカッと開く、シュウマイとかを蒸す時に使う、あの「蒸し器」です。
しかも直径が20㎝ぐらいしかないのでどうみても木炭が少ししか乗りません。
高さは、地面から約40センチ。 重心は異様に高く、極めて不安定。
そよ風が吹いただけで「カラン…」と倒れそうな、その奇妙なオブジェ。
僕が持ってきた、キャプテンスタッグの折り畳み焚火台のその真横で、ポコさんの「芸術作品」は、あまりにも異様な存在感を放っていました。
僕は、恐る恐る尋ねました。 目の前の現実を、まだ受け入れられずにいました。
「なぁ、ポコさん…。」
「これ、焚き火台…だよね?」
すると彼は、胸を張り、まるで世紀の大発明を披露するかのように答えました。
「そうだよ。すごいだろ、これ」
「いや、すごいとかじゃなくて…。なんでこんなに背が高いの?」 「普通、焚き火って、もっと地面の近くでやらない?」
僕の、あまりにも凡人すぎる質問。 それを聞いたポコさんは、心底「コイツ分かってねえな」という顔で、僕に「真理」を説き始めました。
「だって、目線の高さに火があれば、合理的じゃん?」
…………合理的?
(え、なにが? 目線の高さに火があったら、危ないだけじゃん)
(火の粉が飛んだら顔面直撃だし、そもそも不安定すぎて倒れたら大惨事だぞ)
僕の頭の中は「?」で埋め尽くされました。

焚き火は、地面近くで安定させ、暖を取り、調理をし、そして何より「安全に」楽しむもの。 それが、僕たち凡人やキャンプ初心者の常識です。
しかし、ポコさんは違った。
彼は、「イスに座ったまま、火をいじりたい」という、その一点の欲望(=合理性)のために、
「安全性」「安定性」「実用性」
という、焚き火台として最も重要な要素を、すべて捨て去ることを選んだのです。
存在しない問題を解決するために、まったく新しい、致命的な問題を生み出す。 これぞ、ポコさん流の哲学でした。
後日、彼はこの作品について、こう振り返っています。
「今回の焚き火台は、ちょっと重心が高かったな。改良の余地があるわ」
……違う。 そうじゃない。
重心が高いとか、改良の余地があるとか、そういう次元の話じゃないんだ。
市販品を使えば、100倍安全で、100倍快適なのに。 あえて不便で、コスパ重視であえて危険な「俺流」を追求し、そこに謎の「合理性」を見出す。
これぞ、愛すべき「欲望のピーターパン」、ポコさんの生き様そのものだったのです。

教訓:「俺流」は、安全を捨てて合理性を取る
その日、僕はキャンプを心から楽しめませんでした。
いや、楽しみはしたけれど、視界の端で常にユラユラと揺れている、ポコさんの「芸術作品」が倒れやしないかと、ヒヤヒヤしっぱなしでした。
幸い、その日は風も弱く、ポコさんが薪をくべる(というより蒸し器に置く)たびにグラグラ揺れはしたものの、あの大惨事には至らず、無事に一日を終えました。
ポコさんは、満足げでした。 「ほら、合理的だったろ?」と。
彼の行動には、つい笑ってしまう部分が多い。 でも、同時に大切なことを思い出させてくれます。
普通、僕たち凡人は、「安全」で「便利」な市販品を選びます。 失敗したくないから。
でも、彼は違う。 「自分らしさ(俺流)」と「今の快楽(合理的)」を優先して、あえて無謀な挑戦を続ける。
結果は、傍から見たら(というか、客観的に見たら100%)大失敗なんだけど、彼自身は「改良の余地がある」と、それを経験として楽しむ力があるのです。
(いや、ただ単に、何も反省していないだけかもしれないけど…)
ポコさん対策本部:キャンプ初心者が100均で「買うべき物」と「買うな危険」
ポコさんの「100均で揃える」という心意気は立派です。 実際、今の100均(セリア、ダイソー)には、ガチで使える「神キャンプアイテム」がたくさんあります。
実際に僕も使い捨ての網とか小物は100均で揃えたりします。
しかし! 「命」や「安全」に関わるものをケチってはいけません。 これはキャンプ初心者にこそ、強く伝えたい教訓です。
実際に僕が使用しているキャンプギアを紹介します。
1.オススメ焚き火台
ポコさんが証明してくれた通りです。 キャンプ初心者が安易に100均のパーツを組み合わせた「焚き火台」は、もはや凶器です。 これは失敗談では済まない、火事や事故の元なので、絶対にやめましょう。
火を扱う道具と、自分の体を支える道具は、信頼できるアウトドアメーカーの物を買いましょう。 それが一番、合理的です。
2.【安心快適】オススメキャンプチェア
ポコさん(当時100kg超)が座るたび、耐荷重150kgのイスが悲鳴を上げていました。 もし彼が100均の簡易チェア(耐荷重 不明)に座っていたら…想像するだけで恐ろしい。
自分の全体重を預ける道具をケチってはいけません。 特に、ポコさんのように体重が気になる(?)アラフォー男性は、耐荷重がしっかり明記された、安定感のあるチェアを選びましょう。 その投資が、あなたの腰と安全を守ります。
3.キャンプテーブル
焚き火台が「蒸し器」なら、テーブルも100均のパーツで作るのがポコさん流かもしれません。 (すのこ+ブロックとかで)
しかし、不安定なテーブルに熱いクッカーや飲み物を置いて、それが倒れたら大惨事です。 キャンプ初心者のうちは、軽くてコンパクトに折りたためる、しっかりしたアルミ製などのテーブルを一つ持っておくべきです。 安心感がまったく違います。
まとめ:ポコさんの「俺流」は、まだ止まらない
こうして、犬山キャンプ場でのデイキャンプは、ポコさんの「合理的」な芸術作品のおokげで、ある意味、忘れられない一日となりました。
この出来事は、ポコさんの「俺流キャンプ伝説」の、ほんの序章に過ぎません。
彼はこの後も、常人の理解を遥かに超える「俺流」のキャンプギアと、謎の哲学で、僕たちを驚かせ、笑わせ、そして時々ドン引きさせてくれることになるのです。
次回、ポコさんの「俺流」が、さらに斜め上の領域に達する――。 彼の物語は、まだまだ続きます。
▼ポコさんの「すべて」を知る(プロフィール)
▼次のキャンプ失敗談(第3話)はこちら
ポコさんの「芸術作品」。 もし市販品と並んでたら、絶対買いませんよね(笑)
僕たちは、つい「効率」や「完璧さ」を求めてしまいます。 便利なもの、格好いいものを選びがちです。
でも、ポコさんは、不格好でも「自分のやり方」で挑戦し続ける。 「目線の高さに火が欲しい」という、純粋な(?)欲望に、彼は誰よりも正直なんです。
その結果が、たとえ大失敗だったとしても。
完璧さや効率だけを求めず、ときには不格好でも「自分流」で挑戦してみる。 失敗は笑いに変えられるし、そこから(ポコさん以外は)学びを得られる。
そう思えば、人生はもっと豊かで、面白くなるのかもしれませんね。









