「気に入った女の子と、店外でデートしたい」 「でも、何を話せばいいか分からない」 「お金や時間はどれくらいかかるの?」
キャバレー花園という「大人の学校」に通い始めると、 次に必ず芽生えるのが 「同伴(どうはん)」への強烈な憧れです。
店の中だけでなく、外の世界でも彼女と会いたい。 まるで本当の恋人のような時間を過ごしたい。 それは、通い慣れた常連だけが許される「特権」のように思えるからです。
しかし、女性慣れしていない初心者が その場の勢いだけで約束を取り付けると、 そこには想像もしなかった思わぬ落とし穴が待っています。
これは、運命の出会いを果たした 友人ポコさん(アラフォー)が、 せっかく手に入れた同伴デートの権利を 「自らの手で握りつぶした」 あまりにも人間臭く、哀しい失敗の記録です。
なぜ彼は、戦う前から逃げ出したのか? 初心者が絶対に気をつけるべき 「デートプランの落とし穴」と「心の壁」について、 彼の屍(しかばね)を越えて学んでください。
戦う前から白旗を上げる…。それが一番の敗北です
目次
キャバレー花園の「同伴」事情とは?
今回のメインエピソードに入る前に、 キャバレー花園における 「同伴(どうはん)」の仕組みについて 正しく解説しておきます。
実はここが、一般的なキャバクラとは大きく違うポイントなのです。
システム化されていない「純粋な約束」
今どきのキャバクラには「同伴料」や「同伴バック」といった明確なシステムがありますが、 花園には公式な「同伴システム」というものはありません。
つまり、キャスト側に「店外でお客さんを連れてきたら〇〇円バック」というような金銭的なメリットは、基本的にないのです。
では、どうやって同伴するのか? それは完全に「個人間の約束」です。
- LINEなどで個別に連絡を取り合う
- お互いの予定を合わせて食事などのデートをする
- そのまま一緒にお店に出勤(入店)する
これだけです。 ビジネスライクなシステムがない分、 キャストが同伴を受けてくれるということは、 「売上のため」というよりも 「あなたと一緒にいたい」「あなたとなら食事に行ってもいい」 という、純粋な好意や信頼関係に近いものがあると言えます。
(※もちろん「出勤時にお客さんがすでにいる」という安心感はありますが、金銭的な強制力はありません)
同伴は「店外」だからこそ準備が必要
しかし、ここで初心者が最も見落とすのが 「環境の激変」です。
お店の中は、ムードのある暗い照明に包まれています。 多少肌が荒れていても、服がヨレていても、 薄暗さとアルコールの勢いで誤魔化しがききます。
でも、同伴は違います。 真っ昼間や夕方、容赦ない太陽の自然光の下で会うことになるのです。
つまり、 「清潔感」の粗(あら)が 店内の10倍、いや100倍目立つということ。
鼻毛、無精髭、毛穴の汚れ、服のシミ、 そして何より「ニオイ」。 ポコさんのように普段女性とデートし慣れていない人は、 この「太陽の審判」を甘く見て、 会った瞬間に「ナシ判定」を食らうことが多いのです。
花園のような夜のお店以上に、 「同伴」では至近距離での清潔感が命です。
特に車での移動や、対面での食事は距離が近い。 太陽の下で見える肌のテカリ、 食事中の口臭、 すれ違いざまの生乾き臭や体臭。
これらは「生理的に無理」という烙印を 一瞬で押される原因になります。
デートの約束を取り付ける前に、 最低限の「身だしなみ」を整えておかないと、 会った瞬間に幻滅されてジ・エンドです。
赤点レベルのデートプランと、逃亡
さて、物語に戻りましょう。
初めての花園体験から数週間。 足繁く通い詰め、給料のほとんどを花園に注ぎ込んだポコさんは、 ついに運命の相手「みりあちゃん」との 念願の同伴デートの約束を取り付けました。
「やったぞ!今度の日曜、みりあちゃんと飯行ってくるわ!」
有頂天で報告に来た彼。 しかし、その具体的な計画を聞いた僕は、 耳を疑い、そして頭を抱えました。
アラフォー男の「俺流」プラン
彼が意気揚々と語った デートコースは以下の通りです。
- 車で彼女の家の近くまで迎えに行く
- 彼女リクエストの「食べ放題の焼肉」へ行く(判定:❌ 服に匂いがつく・忙しない)
- 彼女が見たいと言っていた「映画」を見る(判定:❌ 2時間会話なし・寝たら終了)
- そのままお店へ送る(同伴出勤)
……どう思いますか?
高校生の初デートなら微笑ましい100点満点ですが、 アラフォーの大人が、 接客業のプロである女性をエスコートするプランとしては、 あまりにも「工夫」と「配慮」が足りません。 まさに赤点、追試レベルです。
僕は慌ててアドバイスしました。
「おいおい、ちょっと待ってくれ。 食べ放題の焼肉? 落ち着いて話せないし、自分で肉を取りに行かなきゃいけないし、 服に匂いはつくし、時間制限はあるし…。 『私のために店を選んでくれた』っていう特別感がゼロだよ。 せめてオーダー式の、個室がある焼肉屋にしよう」
「それに、映画もリスキーだ。 せっかくの同伴なのに、2時間も暗闇で黙って座ってるだけ? まだ関係が浅いんだから、もっと会話ができる水族館とか、 ウィンドウショッピングの方が仲良くなれるチャンスがあるよ」
しかし、彼は 「うーん、でも彼女が『肉食べたい』って言ってたし… 映画も『あれ見たいなー』って言ってたから…」 と、生返事。
彼女の言葉を額面通りに受け取りすぎているのです。 「肉食べたい」は「美味しいお肉を雰囲気の良い店で食べたい」であり、 「ガヤガヤした店で質より量を詰め込みたい」ではないかもしれないのに。
長年の「経験不足」が、 ここに来て「自分のやり方を変えられない頑固さ」に 変わってしまっていたのです。
彼の最大の敗因は、 「女性が言葉の裏で何をしてほしいか」を想像する “女心の学習”をサボったことです。
花園は会話と気遣いの場所。 お客さんとして扱われることに慣れてしまい、 「自分が楽しませる側」に回った時の作法を知らないのです。
自分の「俺流」を通す前に、 一度でいいから「女性心理」や「会話の正解」を 本でインプットしておくだけで、 「あ、このプランはヤバイかも」と気づけたはずです。
恋愛も予習復習が9割ですから。
最高の言い訳と、最悪の選択
デート当日が近づいたある日。 僕はポコさんに進捗を聞きました。 「みりあちゃんとのデートプランどうなった?」と。
すると、彼は少しバツが悪そうに、 しかしあっけらかんと言いました。
「あー、仕事が入ったから、断ったわ」
…え? あんなに楽しみにしていたのに? 「運命だ」とか言って舞い上がっていたのに? 仕事なら仕方ないとはいえ、 あまりにもアッサリしていませんか?
違和感を覚えた僕は、 彼の目を見て問い詰めました。 「本当に仕事なの? 本当にそれだけ?」
すると、 彼は観念したように、 これまで胸の内に秘めていた 「本当の理由」をポツリポツリと白状したのです。
逃げ出した真の理由「損得勘定」
彼がデートをドタキャンした 本当の理由は、仕事ではありませんでした。 それは、あまりにも現実的で、夢のない理由でした。
- お金と時間がもったいない(コスパ思考) 「冷静に計算してみたんだ。 迎えに行くガソリン代、高速代。 焼肉代に映画代も全部俺持ちだろ? その上で、店に入ったら同伴料とセット料金がかかる。 数時間のデートで数万円飛ぶ…。 **そこまでして、確実に付き合える保証もないのに、俺に何の見返り(リターン)があるんだ?**って思っちゃって」
- 楽しませる自信がない(自己肯定感の低さ) 「車の中とか、飯食ってる時とか、 何を話せばいいか分からない。 店の中みたいに、向こうが話を振ってくれるわけじゃないだろ? 沈黙に耐えられなくて、『つまんない男』って思われるのが死ぬほど怖い」
この2つです。
みりあちゃんのリクエストに応える自信がなく、 さらには、 「高い金を使っても、どうせ付き合えるわけじゃない」 というシビアな損得勘定が働いてしまったのです。
何より、花園の同伴はビジネスではありません。 彼女は「仕事」として割り切って行くのではなく、 少なからずポコさんとの時間を楽しもうとしてくれていたはずです。 その気持ちを、「コスパ」という言葉で切り捨てたのです。
ちょうど仕事が入ったのを「神様がくれた言い訳」にして、 彼は傷つくリスクを避けるために、戦う前から逃げ出しました。 「行けなくなった」とLINEを送った瞬間、 彼は残念な気持ちよりも、「ホッとした」と言いました。 それが何よりの証拠です。
彼の気持ちも分からなくはありません。
キャバレー遊びは、 どうしても「現金の減り」が早い遊びです。 財布の紐が緩む瞬間と、急に現実に戻って青ざめる瞬間。 このジェットコースターに初心者は耐えられないことがあります。
「お金が減っていく恐怖」が頭にあると、 せっかくのロマンチックなデートも 「コスパ」や「元が取れるか」で考えてしまいがち。
普段からお財布の中身を整理して、 「遊びに使うお金(交際費)」と「生活費」を スマートに分けて管理できる財布を持つと、 こういう時に「これは遊ぶためのお金だから!」と 割り切れる心の余裕が生まれます。
花園の良さ・注意点(今回の教訓)
今回のポコさんの失敗から、 初心者が学ぶべきポイントは明確です。 同伴は楽しいものですが、挑むには「覚悟」がいります。
▼初心者がハマる落とし穴
- 「同伴=付き合える」という勘違い 同伴はあくまで「お店への出勤前」です。 過度な期待をして、勝手にハードルを上げて、勝手に絶望して自滅しないこと。
- 「俺流」への固執 女性扱いに慣れていないなら、 素直に「エスコートのセオリー」通りに行動すべきです。 奇をてらったプランや、自分の都合優先のプランは事故の元です。
▼気をつけるポイント
- 自信がないなら約束しない ドタキャンは一番の失礼です。 キャストもその日の予定を空けて待ってくれています。 金銭的なバックがないからこそ、人間関係としての信用を一発で失います。
- 損得勘定を持ち込まない 「元を取ろう」「これだけ払ったんだから楽しませろ」 そう思った時点で、大人の遊びとしては負けです。 「その時間を共有できること」自体に価値を感じられないなら、 まだ同伴は早いです。
おまけ:アフターの可能性
ちなみに花園では、営業終了後に食事などに行く「アフター」も可能です。 これも同伴と同じくシステム化はされていませんが、キャストと仲良くなれば普通に誘えます。
「えっ、常連じゃないと無理でしょ?」
と思うかもしれませんが、そんなことはありません。 相性さえ良ければ、初対面でもアフターに行ける可能性は十分にあります。 (実際に僕は経験があります)
同伴のような「事前の約束」が重いと感じる人は、 まずは流れで誘えるアフターから狙ってみるのもアリかもしれません。
まとめ:逆回転し始めた恋の歯車
いやぁ、やっぱり仕事がさぁ…(震え声)
彼は、恋のスタートラインに立った瞬間に、 怖気づいて逃げ出してしまいました。 自分で蒔いた種なのに、 いざ花が咲こうとしたら、その色鮮やかさに怯えて踏み潰してしまったのです。
「傷つくのが怖い」 「失敗して恥をかきたくない」 「損をしたくない」
その強すぎる自己保身が、 せっかくの実りかけた果実を 自ら腐らせてしまいました。
この一件以来、 彼の恋の歯車は、 ゆっくりと、しかし確実に 「逆回転」を始めました。
失敗を恐れて行動しないまま、 アラフォーになってしまったポコさん。 「勝てない戦いはしない(だから何も得られない)」。今回のドタキャンは、そんな彼の人生の縮図のようでもありました。
彼がこの「自信のなさ」という 高い壁を乗り越える日は来るのでしょうか? それとも、このままキャバレーという夢の世界に逃げ込み続けるのでしょうか?
僕は親友として、 もう少しだけ、 この不器用すぎる男の物語を 呆れながらも見守ってみようと思います。
僕も20代の頃に花園に通って2人のキャストと仲良くなり、体の関係を持った経験があります。 ポコさんにもそれを伝えているので、 彼もうまくやれば、みりあちゃんと良い関係になれる可能性は十分にあったはずなのですが…(笑)。 チャンスは平等ですが、掴めるかどうかはその人次第ですね。
失敗を恐れて、行動しない。その気持ちは、分からなくもありません。
でも、恋愛は、傷つきながら学んでいくもの。僕もたくさんの女性と知り合い、いっぱい傷つきながら経験を積んできました。
人生の中で恋愛は大きな勉強の一つだと思っています。彼が、この高い壁を乗り越えられる日は、来るのでしょうか…。
少しの傷つく勇気や成功体験があれば、ポコさんは変われるかもしれません。僕は、もう少しだけ、見守ってみようと思います
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