はじめに:面倒くさがり屋の、聖地巡礼
それは、2025年7月の平日。
その日の昼下がり、友人のポコさんは、まだ迷っていました。
「(キャバレー)花園どうしようかなぁ…なんか、行くの面倒くさくなってきた」と、僕にLINEを送ってきました。
前回の花園から数日がたった出来事です。
なぜこんな事になったかというと、ポコさんは行きつけのキャバレー花園でイベントが開催されると知ったからです。
名古屋にあるキャバレー花園。そこのお店は季節・月々に合わせたイベントを開催しています。
7月のイベントは「夏祭り」と題して、3日間連続で開催され、キャストが水着を着用して接客をしてくれるという夢のようなイベントが開催されます。
しかし、平日に開催されるので、翌日の仕事、暑さ、電車代…。彼は、行かない理由を、必死で探しているようでした。
しかし、彼の心の奥底では、「水着イベントも見てみたい」という、純粋な欲望の炎が、静かに燃え盛っていたのです。
※ポコさんのセリフは全て僕のLINEに実際に送られてきたものを使用しています
期待を裏切らないポコさん
そして、夕方。仕事中の僕のスマホに届いたのは、短い、しかし、あまりにも彼らしい、一言でした。
「結局名古屋に来てしまったwww」
僕にLINEまでしてきて、悩んでいたのは一体なんだったんだ…。彼の、聖地「キャバレー花園」への、巡礼は、こうして始まりました。
入店する前にLINEでやりとりした内容は、
「次の日は仕事があるから飲まない」
「今日は1セットだけ」
そんな事を言っていました。しかし、ポコさんの宣言は、水着姿のみりあちゃんを前に、泡となって消えました。
「飲まなきゃ無作法だろう?」という、彼だけが使える魔法の言い訳と共に、ハイボールが彼の喉を潤します。
楽園は、最高だったようです。
「やべー!来て良かった!」
「みりあちゃんいいにおい!」
彼は、まるで初めて遊園地に来た子供のようにはしゃぎ、興奮のあまりおつまみで出された駄菓子の乾燥剤を口にするという、奇行にまで走りました。
そして、その夜のクライマックス。
「みりあちゃんとチューしちゃったぁ!」
彼は、この世の頂点に立ったのです。
欲望のルーレット
一度目の、夢の時間が終わります。 僕からの、「年に一回のイベントだから、行かなきゃ男じゃないでしょう?」という、悪魔のささやきに後押しされ、彼は、二度目の夢を見ることを決意しました。
しかし、彼は、みりあちゃんという、確かな幸せを選びませんでした。 「あえて指名無し」。
それは、もっと刺激的な何かを求める、ギャンブラーの一手でした。
結果、巨乳の元風俗嬢の「ふうちゃん」(仮名)を引き当て、「たまらんぞ!」と、彼は、新たな快楽に、身を震わせたのです。
嫉妬という名の天罰
三度目の正直。彼は、営業LINEをくれた「しいちゃん」(仮名)を、義理堅く指名しました。
その選択が、彼を天国から地獄へと突き落とすことになるとも知らずに…。
ふと、彼の目に、信じられない光景が飛び込んできました。
さっきまで自分とキスをしていた、みりあちゃんが、別の客(おじさん)と、親しげに抱き合っている。
「イライラするのは何でだろう?」
「何や、あのオッサン…絞めたろか…」
彼の心に、初めて、緑色の炎が燃え上がりました。「嫉妬」です。
お金を払えば、誰にでも笑顔を向ける。それが、この世界のルール。
頭では分かっているのに、彼の「5歳児」の心は、自分のおもちゃを他の子に取られたかのように、激しく叫んでいたのです。
「キャバ嬢に深入りしたらアカンな。落ち着け俺…」
彼は、必死に自分に言い聞かせます。それは、ピーターパンが、初めて「大人」の世界の、残酷なルールを、突きつけられた瞬間でした。
【まとめと、僕のコメント】
結局、彼はさすがに終電を逃したら仕事に行けなくなってしまうので4回目には進まず、すごすごとキャバレー花園という楽園を後にしました。
「あかん、はしゃぎすぎた」。
祭りの後の静けさが、彼の身を包みます。
締めに吉野家で食べた、まぜそばの味は、「しょっぱかった」という。僕が、「涙の味かな?」と返すと、彼は、それを否定しましたが、それはきっと、彼が初めて味わった、甘い夢の裏側にある、しょっぱい「現実」の味だったのでしょう。
この夜、ポコさんは、水着の楽園で、大人の恋の、一番厄介な感情を学びました。 彼の人生の物語に、また一つ、忘れられない、しょっぱいページが刻まれたのです。
彼の、この、あまりにも人間臭い、感情のジェットコースターを、LINEだけど一番近くで観察できたのは、最高のエンターテイTメントでした。
一緒に行けたらもっと楽しい時間を過ごせたと思うと残念でなりません。
ポコさんは嫉妬という、面倒な感情を知ってしまった彼が、今後、どのような行動に出るのか。僕の、観察は、まだまだ、続きます(笑)
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