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【キャンプ編⑤】キャンプで鍋が失敗!「あっ!」の一言でもつ鍋を大地に還したポコさんの伝説

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序章:冬キャンプと、最高の「もつ鍋」

冬のキャンプ。 気温は10度を下回り、ダウンジャケットを着込んでも体の芯から冷えてくる。 その一番の楽しみといえば、やはり焚き火を囲んで食べる温かいご飯でしょう。

冷え切った指先を炎で温め、湯気の立つ料理を頬張る瞬間は、何物にも代えがたい幸福感があります。

自作オイル缶ストーブで火傷した「10フレームの悲劇」から、また違う日のキャンプ。 あの灼熱地獄も、今となっては笑い話です。

▼前回のエピソードはコチラ

僕の親友、ポコさんと二人で訪れた、愛知県豊田市にある、お気に入りのキャンプ場「アウトドアガーデンいなぶ」

吐く息も白くなるほどの寒空の下。 僕たちがその夕方のメインディッシュとして選んだのは、熱々の「もつ鍋」でした。

スーパーで買ってきたパックのもつ鍋セットですが、侮ってはいけません。 プリプリのもつ、たっぷりのニラとキャベツ、そして体の芯から温まる旨味の凝縮されたスープ。

グツグツと煮える鍋から立ち上る湯気と、ニンニクの効いた醤油ベースの香りが、凍える僕たちの食欲を暴力的に刺激します。

家で食べるより、何倍も、何十倍も美味しく感じられるのが、冬キャンプの魔法です。

僕とポコさんは、焚き火の炎に照らされながら、無言で鍋をつつき続けました。

「…うまい」 「…うん、うまい」

言葉はいらない。 ただ、熱いスープが喉を通るたび、「ハァー」と幸せなため息が漏れる。 僕たちは、最高のキャンプ飯に酔いしれていました。

もつ鍋の生前の写真と焚火

悲鳴と、茶色い大地

僕たちの「もつ鍋」は、直径24センチの土鍋に入っていました。 かなりの重量です。

にもかかわらず、その土台となっていたのは、小さな「SOTOのシングルバーナー」でした。 コンパクトで湯沸かしには最強のギアですが、重い鍋を支えるには、五徳があまりにも小さく、バランスが悪い。


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今思えば、鍋を置いた時点で、すでに少し傾いていたかもしれません。 ポコさんが箸で具材をつつくたびに、鍋がわずかにグラッと揺れていたのです。 いつ崩壊してもおかしくない、危険なジェンガのような状態だったのです。

先に僕が「じゃあ、お先に」と、自分の分のラーメンをよそい、熱々の麺をすすっていました。 「うん、スープ吸って最高だわ、これ」 なんて言いながら。

そして、次にポコさんが鍋に箸を伸ばした、その瞬間でした。

少し僕がよそ見をしていたら、

「あっ!!!!」

という、彼の心の底からの悲鳴が、静かなキャンプ場に響き渡りました。

振り返ると、そこには信じられない光景が広がっていました。

バッシャーン!!!!

という派手な音と共に、僕たちの夢と希望と、あの黄金のスープが詰まったもつ鍋が、地面にぶちまけられていたのです。

いい感じにお酒も回っていたポコさんは、鍋の底に残った最後の生ラーメンを取ろうと箸を差し込んだ際、手元が狂い、不安定な鍋の重心を崩してしまったのです。

あろうことか、鍋をまるごとひっくり返してしまいました。

(うわぁ……) (ポコさんやっっっっっっっっったなぁ……!!)

地面に広がる、無残なもつ鍋とラーメンの残骸。 もうもうと立ち上る湯気だけが、さっきまでそこにあった幸福を物語っています。 土と混じり合ったスープの匂いが、なんとも言えない哀愁を漂わせていました。

こういう重い鍋の時は、やっぱり「カセットコンロ」みたいに、安定した五徳と低い重心が絶対に必要だったんだ…。

地面に広がるスープの海を見て、僕たちは(いや、僕は)深く反省しました。

ポコさんは、みるみるうちに真っ青になって、 「ごめんごめん!ほんとうにごめん!」 「うわぁ、どうしよう、ごめん!」 「ななかふぇさんのラーメンが…うわぁ…」 と、ひたすら謝罪を繰り返します。

シメのラーメンを一口も食べられなかったポコさん。 その顔は、絶望と焦りで、今にも泣きそうでした。

罰ゲームという名の、神対応

普通なら、そこでブチギレてもおかしくありません。 冬キャンプで一番楽しみにしていた、シメのラーメンを目前にして、すべてを失ったのですから。

僕も一瞬、(マジかよ…)と頭が真っ白になりました。 僕の分のラーメンは確保できていたとはいえ、あのスープはもう二度と戻ってこないのですから。

しかし、必死に謝る彼の姿と、地面で無残に横たわる鍋を見ていたら…。 なんだか、そのあまりにも完璧すぎる悲劇の構図に、僕は、怒りを通り越して、猛烈な笑いがこみ上げてきました。

(コイツ、本当に期待を裏切らないな!) (こんなベタな失敗、マンガでしか見たことないぞ!) (しかも、あの絶望した顔、面白すぎるだろ!)

ここで怒っても、せっかくの楽しいキャンプが台無しになるだけだ。 こぼれたラーメンは、もう戻ってこない。 なら、この「しくじり」を楽しまないと損だ。

そう思った僕は、彼に最高の「罰ゲーム」を提案しました。

「ポコさん、もうこぼしたものは仕方ない」 「うん…ごめん…」 「罰として、今まさにもつ鍋をこぼした瞬間のポーズ取ってくれ!記念撮影や!」 「えっ!?」

僕のあまりにも予想外の提案に、ポコさんも一瞬キョトンとしていましたが、すぐに空気を察して素直に応じました。

こぼれた鍋の前に立ち、 「ああ、やっちまった…」 という、絶望と後悔と、少しの照れが混じった、100点満点のポーズを取るポコさん。

▼これが伝説の一枚。あまりにも完璧な「やっちまった」ポーズ。

僕は、そのあまりにも面白い悲劇の主人公の姿を、腹を抱えて笑いながら、写真に収めたのでした。

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今回のポコさんの「鍋、大地に還す」という大失敗。 この教訓はただ一つ。

「重い鍋を、不安定な場所で使うな」

これに尽きます。 あの悲劇を繰り返さないため、冬キャンプの鍋を成功させる「三種の神器」を紹介します。

1.【最重要】カセットコンロ(アウトドア用)

僕たちの失敗の直接的な原因です。 SOTOのシングルバーナーは、お湯を沸かしたり、軽いクッカーで調理するには最強のギアです。 しかし、「重い鍋」を支える設計にはなっていません。あの小さな五徳で土鍋を支えるのは、無謀すぎました。

その点、カセットコンロ、特にイワタニの「タフまる」のようなアウトドア用コンロは、五徳が大きく、重心が低いので、ポコさんがひっくり返したような重い土鍋を置いても、抜群の安定感を誇ります。

ポコさんが箸でつついても、鍋がグラつくことはなかったでしょう。 さらに、強力な風防(風よけ)もついているので、冬の冷たい風の中でも火力が落ちません。 冬キャンプで「鍋」をやりたいなら、絶対にカセットコンロを一台持っていくべきです。

2.【必需品】カセットガス(CB缶)

カセットコンロを使うなら、燃料の「カセットガス(CB缶)」も忘れずに。 そして、ここにも罠があります。

寒い冬のキャンプでは、通常(ノーマル)のガスだと気化効率が落ち(ドロップダウン現象といいます)、火力が極端に弱くなることがあります。 「あれ?全然お湯が沸かない…」なんてことになったら、せっかくの鍋も台無しです。

必ず、**「寒冷地仕様」や「パワーガス」**と書かれた、冬用のCB缶を持っていくのが鉄則です。 これで、氷点下近い環境でも、安定した火力を確保できます。

3.【安定感】アウトドア鍋

今回、僕たちは「もつ鍋 両手鍋」という、鍋を使用しました。 ご家庭用の土鍋は、重い上に、底がツルツルしていて滑りやすい。これも失敗の一因です。 キャンプで使うなら、アルミ製やステンレス製の「アウトドア鍋」がおすすめ。

軽くて持ち運びやすく、コンロの上でも滑りにくいように設計されています。

他にもキャンプ鍋で使うなら、いろり鍋も取っ手が付いていてちょっとした移動や持ち運びに便利なアイテムもあります。木製のふたも付いておりコチラもオススメです。

ポコさんも持っている、取っ手がしっかりしていて、蓋もついている「いろり鍋」なら、シメのラーメンまで完璧に楽しめます。

【あとがき:今も語り継がれる、もつ鍋の伝説】

この「もつ鍋ひっくり返しちゃった事件」は、今でも僕たちの間では語り草になっています。 鉄板の爆笑ネタです。

ポコさんが何か新しい失敗をしでかした時、僕は決まって意地悪くこう言うのです。

「まあ、あの時のもつ鍋も、ひどかったよなぁ~」と。 「シメのラーメン、食べたかったなぁ~」と。

すると彼は、少しだけ照れくさそうに、そして本気で申し訳なさそうにこう返すのです。

「も~、あの時はごめんて…w」 「俺も食べたかったんやて…」

失敗は、ただの笑い話になるだけではありません。 時には、二人の友情を確かめ合うための、温かい合言葉にもなるのかもしれませんね。

夜の焚火が一番好き。 気温は5.9度でした

ななかふぇより:記事の感想(学びのコメント)

ななかふぇ

失敗は、誰にでもあります。 ポコさんに限らず、僕だって数えきれないほどの失敗をしてきました。

でも、その、どうしようもない失敗を、怒りや、悲しみで終わらせるのか。 それとも、笑い話という、最高の「思い出」に変えるのか。

それは、本当に、自分たち次第なんだなと、あの日のポコさんの「やっちまったポーズ」を見て思いました。

あの日の、もつ鍋の味は、もう、忘れてしまいました。 ポコさんはシメのラーメンの味は、知ることもできなかった(笑)

でも、地面にぶちまけられた、落ちたもつ鍋と共にポーズを取る、親友のあの情けない姿は、きっと、一生、忘れないでしょうね。 あの瞬間の面白さが、失ったラーメンの価値を、ある意味超えてしまったのかもしれません(笑)

▼ポコさんの「すべて」を知る(プロフィール)

▼次のキャンプ失敗談(第7話)はこちら

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