僕が、念願の400ccの愛車SUZUKI「イントルーダー」を手に入れ、友人のポコさんが、魔改造した50ccの三輪バイクHONDA「ジャイロアップ」を手に入れた。
考え方も、乗っているバイクも、全く違う、僕たち二人。 そんな、二人が、初めて一緒に走った日。それが、全ての始まりでした。
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初めてのツーリングは片道1時間ぐらいで行ける場所に決めて、行き先は、山奥の広い場所で自分たちで持ってきた道具でお湯を沸かしてただのインスタントラーメンを食べるだけの、通称「ラーメンツーリング」。
ただ、インスタントラーメンをわざわざバイクに乗って食べに行くという、その無意味な行為が、最高に楽しそうに思えたので、ポコさんを誘ってみました。
すると、彼は「おーいいね!やってみようか!」と、子供のように目を輝かせて、ノリノリで承諾してくれたのです。 ポコさんと行く、初めてのツーリング。
しかし、この、短い旅は、出発の瞬間から、ハプニングの連続だったのです。


折れたミラーと、悲鳴を上げるエンジン
まず、集合場所で、僕が目にしたのは、ポコさんのバイクの、無残な姿でした。 なんと、右側のミラーが、根元から、折れているのです。
どうやら前日に、ミラーの角度の調整しようとしたら、折れてしまったらしい。 「ミラー無いけど…大丈夫?」と聞く僕に、彼は、「大丈夫、大丈夫w 目視すればなんとかなるw」と、いつもの、根拠のない自信で、笑っていました。
そして、やや不安の中初めてのツーリングに出発しました。隊列はポコさんが先頭、僕がその後ろを走ります。出だしは順調でしたが、彼のジャイロは、100キロを超える、巨漢の彼を乗せて、走るとエンジンが、めちゃくちゃ悲鳴を上げています。
フルスロットルでも、時速45キロが限界。僕たちの後ろには、あっという間に、長い、長い、車の行列ができてしまいました。
僕は、インカムで、何度も、彼に指示を出しながら、後続車に道を譲る。気疲れの、連続でした。
初めてのツーリングだったため、ジャイロアップがこんなにも足手まといになるとは、予想していなかったのです。


炎上する、中華製ガスバーナー
やっとの思いで、目的地に着いても、災難は続きます。 広い場所があったのでバイクを日陰に停め、目的だったインスタントラーメンを作ろうと思います。
僕はバイクを停めてどこか食べやすそうな場所がないかあたりを見回していました。そしたらポコさんはその場て道具を広げてバイクの横で、ガスバーナーを使おうとしました。
さすがに僕が、「そこでやると危ないから、あっちでやろうよ」と、注意しても、「大丈夫、大丈夫ここでいいよ」と、謎の自信は、揺るぎません。
(おいおい、マジかよ)と思いつつ「バイクの横で火を使って、万が一引火して、爆発したら、大変なことになるかもしれんよ?」 僕が、ここまで説明して、彼は、やっと、事の重大さを、理解してくれました。
そして、彼が、持ってきた、よく分からない、中華製のガスバーナー。 彼が、使い方に、てこずりながらも、やっと、火をつけた、その瞬間でした。
「ボンッ!」という、音を立てて、バーナーは、軽く、炎上。 幸い、すぐに火は消えましたが、僕の、心臓は、凍りつきました。もし、バイクのすぐそばで炎上したかと思うとゾッとします。
用水路にラーメンの残り汁を捨てる
そして、途中の道の駅で購入したウインナーをラーメンに入れて美味しく食べました。しかし、食べ終えた後、最後の、事件が起きます。
残った汁はそのまま捨てるのは、自然環境に良くないと思い、僕はスープまで飲み干しました。ポコさんは食べ終わったスープをどうするのかと聞いてみたら、
「その辺に捨てるつもりだけど?」と、ナチュラルに返事をしてきます。「いや、さすがに自然に良くないから飲み干したほうがいいよ」と言いました。
でも彼は、僕の忠告も聞かず、「大丈夫でしょー」と、適当に返事をしながら、近くの用水路に、そのまま、廃棄してしまったのです。
彼の、あまりにも、常識のない行動に、僕は、さすがに、呆れるしかありませんでした。この一日だけでも彼のポンコツっぷりが発揮されました。
最終章:一つの決意
そして、帰り道も渋滞を作り大変でした。ポコさんは数々のストレスと、不便さ。そして、何より僕のバイクに全く、ついていけないという屈辱。 それがついに、彼の重い重い腰を上げさせたのです。 ツーリングが終わった、その足で、彼は、買ったばかりのジャイロを売り払い、その資金を握りしめて、中型免許を取るために、教習所へと向かいました。 これが、バズさんが、彼の人生における大きな一歩を踏み出す直接のきっかけとなった、伝説のツーリングの、全貌です。
ポコさんがわざわざ中型免許を取りに行くとは全く想像してなかったので驚かされました。でも、屈辱的な一日がなければ、彼が、教習所に通うことはなかったのかもしれません。そう考えると、これもまた、必要な、試練だったのでしょう


