男性には特有の悩みがある。それは、男の象徴でもあるチンチンに対する悩みだ。大きさ、亀頭の形状、包皮の状態、遅漏か早漏か…ポコさんも自分のチンチンで相当悩んでいたようだ。
もともと仮性だったのに、亀頭包皮炎の繰り返しで皮膚が硬化し、いまは実質“カントン包茎寄り”。
「痛い・裂ける・生活に支障」──となれば、機能を戻すのが先だ。
泌尿器科(保険診療)か、美容外科(自由診療)か。これは、彼の運命の分かれ道。この記事では、ポコさんが決断を下す、その前夜までの物語を、生々しいLINEのやり取りと共に記録する。
今回のお話は、ポコさんが美容外科に行って相談をしにいくつもりが選択を間違ってしまい、結果110万円の高額のローンを組んでしまうお話です。
目次
始まりはLINEに落ちてきた、男にしかわからない悩み
ある朝の雑談の中、ポコさんは唐突に切り出した。
ポコさん: おはよう。男にしかわからない悩みを相談してもいいかい? 皮……男…皮…何となく察せるよね…?
僕が冗談半分に「ワイは火星(仮性)人だぞ」と返すと、彼は「火星人だったのにカントン人になってしまった」と、痛々しくもユーモアを忘れずに返してきた。
仮性包茎だったのにカントン包茎の逆進化になる・・・?
ポコさん: 超いてえ ポコさん: 近々診察、手術を受けようと思ってるんやが、患部が患部なだけにビビってしまってな…
冗談交じりのLINEの裏で、彼の口から“痛み”や“裂け”といった生々しい言葉が増えてきたのは、この頃からだ。
仮性からカントンへ。糖尿病が招いた悲劇
なぜ、彼の“ポコさん”は、そんな事態になってしまったのか。 原因は、彼が患っている2型糖尿病にあった。
ポコさん: 糖を尿で排出する薬を飲む→糖が尿と一緒に排出される→雑菌が増える→包皮炎になり裂傷ができる→治癒と裂傷を繰り返す→皮が固くなる→剥けなくなる→広東人の出来上がり! ちくしょうめ!
炎症が起き、薬で治す。だが、原因である尿の糖がなくならないため、すぐに再発する。その繰り返しで皮膚は柔軟性を失い、硬化。剥こうとすれば、硬い部分と柔らかい部分の境目が裂けてしまう。
まさか2型糖尿病の合併症がこんなとこにも表れるなんで今まで知らなった。
しかし話を聞くだけで、その深刻さが伝わってきた。生活に支障が出ているのなら、もう手術するしかない。その点については、僕も完全に同意していた。
機能回復か、見た目強化か──泌尿器科と美容外科、運命の選択肢
とはいえ、同じ“切る”でも、目的が違えば“どこでやるか”も変わってくる。ポコさんは悩んでいた。
- 泌尿器科(保険適用の可能性あり): あくまで機能改善が主目的。病気を治すための、最低限の治療を確実に行う。
- 美容外科(自由診療): 見た目の美しさ、ボリュームアップなど、機能+αの価値を提供するのが得意。そのぶん高額になり、営業色も強くなちだ。
ポコさん: 泌尿器科は別件で診察済みよー。ただ、泌尿器科より美容外科のが仕上がりは綺麗なんだそうで。ただ、美容外科は自由診療だから全額自己負担なんよなぁ…
この会話から察するに、彼は機能性より見た目を重視したいらしい。迷っている彼に僕はこうアドバイスをした。「自分の大事なところだから、お金かけるのは全然あり」と返した。
“Pro Max”の甘い響き。ガジェットも我が身も、最高級を求める男
彼の性格を語る上で、無視できないのが、その“MAX指向”だ。 ちょうどiPhoneの機種変の話で盛り上がっていた時も、彼は最新の「iPhone 17 Pro Max」と「Apple Watch Ultra 3」を同時に注文していた。
その流れで、僕は冗談まじりにこう送った。
ななかふぇ: チンチンもPro MAXになるってハッキリわかんだね
ガジェットであれ、手術であれ、**“MAX / ULTRA / Pro”**という言葉の響きに、彼は無条件に惹かれてしまう。“今の自分を底上げしてくれる気がする”からだ。 そして、この価値観こそが、のちの泣き笑い劇の分岐点となる。
いざ美容外科へ。165万円が110万円になる“今日だけ割引”の罠
数日後、ポコさんは意を決して、ネットで見つけた「評判の良い美容外科」へカウンセリングに向かった。そこまでは、間違いじゃなかった。 しかし、当日の流れは、彼の想像を遥かに超えるものだった。
見積りだけのつもりが「今日、手術できます」
診察を終えるやいなや、「今日、このまま手術できますよ」と提案される。 痛みが不安だと伝えれば、すぐさま麻酔テープで“ポコさん”をぐるぐる巻きに。「これで痛みは軽減できますから」と安心させてくれた。実際にペニスの感覚はほぼ無くなり触られても感触はなかった。
さらにポコさんはチンチンの先端が細くなっているので亀頭が細いタイプ。なので、亀頭増大治療も進められた。大きくなると亀頭の面積が広くなり、感度が増して遅漏改善になるそうな。
そして、院長が登場してからの殺し文句がこれだ。
「ポコさんのペニスは珍しい形をしているので是非写真撮影をさせてもらいたいんです。今日なら特別モニター価格で、治療料金を税込1,650,000円のところを、1,100,000円にするのでお願いします!」
ポコさんはここで手術を決めるかどうか迷った。自分のチンチンが珍しいタイプだったのか!それならモニター価格で安くなるならやってもいいかな、と。
「持ち帰ります」──土壇場で踏みとどまった一言
見積りだけのつもりが、完全に“その場で決断させる”ムードに飲み込まれかける。 しかし、モニター価格でも110万円の治療費はさすがに高いのでここでポコさんは「一回持ち帰って考えます」と、踏みとどまった。
さすがに心の準備ができていないからだ。説得されたが、ポコさんは今回は断った。
帰り際に「来週必ず来てくれるならでも同じモニター価格でやらせてもらいますよ」と言われ、「なんて優しい病院なんだ」と受け取ってしまったようだが、それは典型的な営業の常套句だ。一度冷却期間を置かせることで、客の「断りにくい」という心理を突く高等戦術なのである。
「じゃあ来週絶対に来てくださいね!待ってますよ」と、念を押される徹底ぶりだった。
まとめ:決断の前に、友として思うこと
僕は、この話を聞いて美容外科を選んだ彼の選択を全面的に肯定をした。彼が自分で悩み、考えて、自分で決めるのが一番だと知っているからだ。
同時に、一人の人間観察者として、このプロセスを記録しておきたかった。「“MAX”という鎧をまとっても、内側から湧き出る本当の自信は、どこからくるのだろうか?」という問いは、巡り巡って、僕自身にも突き刺さるテーマだからだ。
彼の決断の行方は、まだ誰も知らない。
【今日の教訓】 焦って決めない。機能と見た目の目的を分けて、泌尿器科と美容外科の両方で見積もりを取る。その場で“麻酔テープ”が貼られても、笑顔で持ち帰ってOK。
ポコさん、心中お察しします。男にとって、そこは聖域であり、唯一無二の相棒だ。その相棒の一大事に、悩むのは当然だよ。165万という数字には驚いたけど、君が土壇場で「持ち帰る」と決断した冷静さを、僕は誇りに思う。これは、ただ皮を切る話じゃない。君が自分自身と向き合い、価値観を見つめ直す物語の始まりなんだ。どんな決断をしても、僕は君の物語を最後まで見届けるよ。
【次回予告】 第2話「【罠】165万円→110万円、“今日だけ割引”の正体」 院長の“特別モニター”オファー。延長されたはずの“今日だけ”。価格の魔法は、どうやって人の判断を動かすのか。実際の会話と見積もりの読み解き方を、ケースで追う。