キャンプ初心者の無謀な挑戦「俺はタープ泊がしたい」
前回の「100均 芸術作品(焚き火台)事件」を経て、すっかりキャンプの魅力(というかポコさんを観察する魅力)にハマった僕。
▼あの伝説の100均ギア(第2話)
次なるステップとして、ついに「宿泊キャンプ」に挑戦することにしました。 場所は、僕のお気に入り「アウトドアガーデンいなぶ」。
何度かソロキャンプを経験し、少しだけ先輩になった僕とは対照的に、ポコさんはこれが初めての宿泊キャンプ。
しかし、彼はこの日のために、自分でキャンプを勉強し、全ての道具を揃えてきたというのです。
(あのポコさんが…自分で道具を!?)
僕は、正直、感動していました。 あの100均の蒸し器で満足していた彼が、ついに自立したのだ、と。
しかし、当日、彼が自信満々に車から降ろしてきたのは、キャンプ初心者がまず最初に買うであろう「テント」ではありませんでした。
彼が選んだのは、たった一枚の、ポリエステル製の「4×4タープ」。
ポコさんは僕に、こう言いました。
「俺は、タープ泊がしたいんだよね」
……タープ泊?
熟練者でも天候や設営場所を選ぶ、あの、上級者向けスタイルに、彼はデビュー戦でいきなり挑もうとしていたのです。
▼管理人の初ソロキャンプ




ポコさんの「俺流タープ泊」設営と恐怖の夜
2時間かけた大作と、響き渡るいびき
キャンプ場に着くなり、ポコさんはスマホを片手に、タープの設営を始めました。
僕は、自分のワンポールテントをサクッと設営しながら、彼の無謀な挑戦を、少し不安な気持ちで見守っていました。
「大丈夫か、ポコさん…」
内心ハラハラしていましたが、なんと彼は、悪戦苦闘の末、2時間もかけて寝床を完成させてしまったのです。
その時の誇らしげな笑顔。 あの表情だけで、彼を少し見直してしまったほどです。
「もしかしたら、ポコさんは、僕が思っているよりも、器用な男なのかもしれない」
この時、僕は、そう思っていました。 (この後、見事に裏切られるのですが)

その夜、僕たちは焚き火を囲み、語り合い、それぞれの寝床へ。
静かなキャンプ場に響き渡るのは、隣で眠っているはずのポコさんの、豪快ないびき。 彼は無呼吸症候群の気があるので、いびきが止まるたびに、
「あ、死んだかな?」
と、5%ぐらい心配するのですが、30秒もすれば「グゴォォ!」と復活するので、そのたびに生存確認ができて安心していました。

タープ崩壊!暗闇の格闘と空気の抜けたエアーベッド
しかし、その平和な夜を切り裂くように、 午前3時ごろだったでしょうか。
突然、ポコさんの方向から、
「ガサッ!」「ゴソゴソッ!」「……ッ!!」
という、怪しい物音と、謎のうめき声が聞こえてきました。
僕は寝ぼけながら、(あ、ポコさん、なんかやってるな…)と、察知しました。
しかし、10月の山の夜は、想像以上に寒い。 僕は暖かい寝袋から出るのが面倒で、そのまま寝たふりを続けることにしたのです…。
そして、翌朝。
僕がテントから這い出すと、そこには既に火を起こしているポコさんの姿が。 (意外と元気そうだな…)
僕が、昨夜の物音について尋ねると、彼は少し照れくさそうに、衝撃の真実を告白しました。
「いやぁ、寝てる間に、ポールを蹴ってしまい…」
「タープが、全部、崩壊した」
と。
僕はその言葉を聞いて、思わず大爆笑してしまいました。
暗闇の中、寝ている時に、突然タープが自分に降ってきて、パニックになって布の中でもがいている、彼の姿を想像してしまったからです。
さらに、追い打ちをかけるように、
「持ってきたエアーベッドの空気も、夜中に全部抜けてしまい…」 「寝心地は最悪だった」
と。
夜中に空気を入れるわけにもいかず、ペシャンコになったベッド(というかもはや薄いビニール)と、崩壊したタープ(というかもはや体に巻き付いた布)の中で、彼は朝まで耐え忍んだらしいのです。
【教訓】キャンプ初心者がタープ泊で失敗する理由
普通ならトラウマ級の大失敗。 タープは崩壊し、ベッドは空気が抜け、凍える夜を過ごしたはず。
しかし、僕が一番驚いたのは、その後の彼の一言でした。 そんな散々な目に遭ったはずなのに、ポコさんは笑顔でこう言ったのです。
「でも、キャンプは楽しかった!」
……メンタル強すぎだろ。
この、ポコさんの「折れない心」はさておき。 今回の失敗談は、キャンプ初心者に多くの教訓を与えてくれます。
なぜ初心者はタープ泊で失敗するのか?
ポコさんの失敗は、必然でした。 キャンプ初心者がタープ泊を避けるべき理由は、明確です。
- 設営が「テントより」難しい タープは、2本のポールと数本のロープだけで布を支えます。ピンと張る(テンションをかける)には経験と技術が必要で、ポコさんのように設営に2時間かかったり、寝ている間に蹴っただけで崩壊する不安定な設営になりがちです。
- 天候の影響をモロに受ける タープは「屋根」でしかありません。「壁」がないので、横殴りの雨や、強風には無力です。ポコさんは幸い晴れていましたが、悪天候なら地獄でした。
- 虫や動物が「入り放題」 これが一番の恐怖です。タープ泊は、地面や自然と一体になるスタイル。つまり、虫や、場合によっては動物(タヌキやキツネなど)が、あなたの寝床に「お邪魔します」とやって来る可能性があるのです。
【結論】キャンプ初心者は「テント泊」一択です
ポコさんのように「タープ泊がしたい」という憧れは、すごく分かります。 でも、キャンプの目的が「楽しく、安全に、ゆっくり眠る」ことなら、初心者は絶対に「テント」を選ぶべきです。
テントは「壁」と「床」があり、虫や風雨からあなたを守ってくれます。 まずはテントで「外で安全に眠る」という経験を積むことが、キャンプ上達の一番の近道なのです。
【おすすめアイテム紹介】失敗から学ぶ「快適な寝床」
今回のポコさんの失敗談は、裏を返せば「ギア選びが重要」という教訓です。 キャンプ初心者におすすめのアイテムを紹介します。実際に僕とポコさんが使っているギアも紹介します。
1.【初心者はこれ】まずは安全な「テント」
タープ泊に挑むのは、テント泊に10回は行ってからでも遅くありません。 今は、一人でも簡単に設営できる、安くて高品質なテントがたくさんあります。 まずは「家(テント)」を確保しましょう。僕はワンポールテント派です。
2.【重要】空気の抜けない「折り畳みマット」または「コット」
ポコさんが体験した「エアーベッド空気抜け」は、本当につらい。 寒さが地面からダイレクトに伝わってきます。
買うなら、信頼できるメーカーの厚手のものか、修理パッチが付属しているものを選びましょう。 もしくは、ベッドのように足がある「コット」という選択肢も、地面の冷えから逃れられるのでおすすめです。安価な折り畳みマットもおススメです。
3.【上級者向け】いつかは「タープ」と「ポール」
ポコさんのように「それでも俺はタープ泊がしたい!」という、無謀な(失礼)チャレンジャーもいるかもしれません。
もし買うなら、彼が選んだ「4×4」のような大きめサイズが、雨風をしのぎやすいです。 そして、タープの設営で一番重要なのが「ポール」。 ここをケチると、ポコさんのように崩壊します。伸縮式(スライド式)で、太くて頑丈なポールを選びましょう。
まとめ:失敗すら楽しむポコさんの「折れない心」
結果的に、タープは崩壊し、ベッドはペシャンコ。 ポコさんの「俺流タープ泊」デビュー戦は、客観的に見れば「大失敗」でした。
しかし、彼は「楽しかった」と言った。
普通ならトラウマ級の失敗も、彼にとっては「挑戦した過程」そのものが「楽しい」のです。 それこそが、ポコさんのどうしようもない強さであり、彼が数々の伝説を生み出す理由なのだと、僕は朝の焚き火の前で改めて思い知らされました。
読者のみなさんも、うまくいくかどうかにこだわらず、「やってみる」ことを楽しんでみませんか? (ただし、タープ泊はテントに慣れてからにしましょうね!)
失敗しても笑いに変えられるし、その経験は必ず次につながります。 ポコさんから学べるのは――挑戦を笑える力こそが、人生を豊かにするエッセンスだということです。
ななかふぇより:記事の感想(学びのコメント)
多くの人は「成功したか」「快適だったか」で楽しさを判断します。
けれどポコさんは違う。 たとえ大失敗でも「終わり良ければ総て良し」。 これは誰もが持てる感覚ではありません。
読者のみなさんも、うまくいくかどうかにこだわらず、「やってみる」ことを楽しんでみませんか?
▼ポコさんの「すべて」を知る(プロフィール)
▼次のキャンプ失敗談(第4話)はこちら









