ななかふぇ

【体験談】ギタリストnacoco横浜ベイホールライブで起きた奇跡の物語【特別編】

『横浜ベイホール、奇跡の一日』一人の男の巡礼

2025年9月15日、月曜日。愛知県に住む46歳の長距離トラックドライバー、ななかふぇは、その日いつもと違う目的地に向かっていた。ハンドルではなく切符を手に取り、新幹線に乗り込む。行き先は横浜ベイホール。そこでは、彼が人生で初めてギターを手にするきっかけを与えてくれた憧れの存在――ギタリストnacocoのライブが開催されるのだ。

▲筆者がエレキギターを始めるきっかけとなった動画

韓国出身のギタリストnacocoは、仮面を着けた独自のスタイルと圧倒的な演奏技術で人気を集め、YouTube登録者は95万人(2025年9月現在)。日本ツアーでは横浜・名古屋・大阪を巡り、多くのファンを魅了しています。

ななかふぇにとって、この日だけは仕事も日常も置き去り。まるで「音楽の聖地」へ巡礼するかのように心が高鳴っていた。彼はすでにnacocoモデルのギターを所有しているほどの熱狂的ファン。今日という日は、ただのライブ観戦ではなく、自分の人生の物語に刻まれる特別な一日になると確信していた。

▲nacocoサインギター

ギターファクトリー Futra / nacoco サインギター

▼ライブの内容HP
私とバンドをやりませんか?~ナココ公式バンドメンバー発表ライブ~【I部】


第一幕:神に愛された座席

会場に到着したななかふぇは、まず物販へ直行。応援のためにすべてのグッズを購入し、ライブTシャツに袖を通し、リストバンドを装着。すでに気持ちは「戦闘モード」だ。

第一部の座席番号は「1番」。最前列の一番右側。視界を遮るものはなく、しかも隣は空席。誰にも気を遣わずに没頭できる、奇跡のような環境が彼に与えられた。彼は胸の奥で「nacoco神様、ありがとう」とつぶやいた。

▲最前列で見れるnacocoギターテクニックは最高だった!

休憩を挟み、第二部。座席は「2列目のど真ん中」。これも十分すぎるほどの好位置だが、さらに奇跡は続いた。なんと、彼の目の前、最前列ど真ん中の客が来られなかったのだ。ななかふぇの目の前に広がったのは、誰にも遮られないステージ。二度も神に選ばれた気分だった。

▲2列目だったけどnacocoを目の前で見られて最高でした

第二幕:欲望とGIVEの天秤

ステージが照明に包まれ、ギタリストnacocoが姿を現す。華奢な体から放たれる音は力強く、流麗で、まるで魔法のようだった。彼女の指先が紡ぐ旋律に、ななかふぇは完全に酔いしれていた。観客は総立ちで歓声をあげ、ギターが響くたびにホール全体が震える。照明の熱気と観客の熱狂が混ざり合い、空気が揺れるようだった。

ライブ中盤、事件は起きた。演奏を終えたnacocoさんが、ギターピックを客席へと投げたのだ。弧を描く小さな宝物は、スローモーションのように彼の視界に迫る。そして隣のおじさんの肩にカツンと当たり、コロコロと転がって、ななかふぇの足元に止まった。

「来た!」

彼は反射的に拾い上げ、ついに夢にまで見たピックを手にした。心の中でガッツポーズ。しかし横目に映ったのは、隣のおじさんの寂しげな表情だった。

天秤が揺れる――。
(これは自分が拾ったもの。けれど、最初に触れたのはおじさんだよな…。)

一瞬の逡巡の後、ななかふぇはピックを差し出した。「どうぞ」

おじさんは目を丸くして驚き、次に満面の笑みを浮かべた。「え!いいんですか!?ありがとう!」素直に喜んでくれ、ななかふぇは不思議と満ち足りた気持ちになった。ピックを手にした時よりも、はるかに大きな幸福感が胸に広がったのだ。

▲当日のLIVEの様子 2:22にnacocoさんがピックを投げた時に小さなドラマが生まれた

終章:情けは人の為ならず

ライブは終盤へ。アンコールに応えたnacocoさんが、持っていたピックをまとめて客席へと投げ入れる。会場全体が再び熱狂する中、ななかふぇも夢中で手を伸ばした。そして――今度こそ自分の手でピックを掴み取ったのだ。

歓喜に震える彼は、すぐ隣のおじさんに報告した。「僕も拾えましたよ!!」 おじさんはまるで自分のことのように喜び、二人は自然と会話を交わすようになった。ライブ後には連絡先を交換し、次回のライブの時に横浜で再会を約束する仲にまでなったのだ。

帰り道、おじさんが語った言葉が胸に刻まれる。「今日は勉強になりました。良いことをすれば、ちゃんと自分に返ってくるんですね…」

その瞬間、ななかふぇは確信した。小さなGIVEが巡り巡って、自分に新しいピックと縁、そして最高の物語を与えてくれたのだと。46年間ただ言葉として知っていた「情けは人の為ならず」。その真意を、魂で理解できた瞬間だった。

▲「ナココの」と書かれたピックがコレクションに加わった

まとめ:ギタリストnacocoライブが教えてくれたこと

横浜ベイホールでの一日は、音楽だけでなく人生の学びに満ちていた。ギタリストnacocoのライブは彼に「与えることの尊さ」を教えてくれたのだ。

行動すれば物語が生まれる。そしてその物語は、人との縁を紡ぎ、自分をも成長させる。ななかふぇの人生のフィルムに、またひとつ忘れられない名シーンが刻まれた。

ななかふぇ

拾ったピックを最初に隣のおじさんに渡さなければこの物語は生まれなかったと思います。たとえ、2枚目を拾えなかったとしても、それはそれで良い思い出になったはずです。今回の自分の行動はあとで振り返っても、良かったと思っています。これは難しい事ですが、自分の欲望より、見ず知らずの人に喜んでもらえる行動を取れたことに誇りを持ちたいと思います。

▼ライブ終了後、新バンド『M4SK』メンバーとの記念撮影(タオルが逆さまでした…)

▼次の日の横浜旅行のエピソードはコチラ

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA