【記憶改ざん】友人が車の購入金額を5万円も盛って話していた件
友情の価値は、お金では測れない。
多くの人がそう言うでしょう。しかし、僕の親友ポコさんにとって、友情の値段には、どうやら5万円分の「見栄」が含まれているようです。
これは、僕と彼の車売買にまつわる、記憶の曖昧さと、友情の形についての、少し不思議で、最高に面白い物語です。
第一幕:友情という名の、契約書
あれは、2024年の春。
僕が長年連れ添った愛車「トヨタ・ウィッシュ」を、手放す決意をした時のことでした。
オイル交換から日々のメンテナンスまで、徹底的に管理してきた最高の相棒。どうせなら、信頼できる友人に乗ってほしい。
その時、僕の頭に浮かんだのは、もちろん、我らが友人、ポコさんでした。
当時、彼が乗っていたのは「スズキ アルトラパン」。その可愛らしい名前と見た目に反して、100kgを超える彼の巨漢にはあまりにも不釣り合いな軽自動車でした。彼が一人で乗るだけでもサスペンションは悲鳴を上げ、そこに僕が乗り込もうものなら、膝と膝が触れ合うのは序の口。なぜかいつもポテトのような香ばしい匂いが充満し、男同士、密室、7日間。何も起きないはずがなく…まさに地獄の密着空間だったのです。
僕は彼に提案しました。
「僕のウィッシュ、20万円で買わない?」と。
彼は子供のように喜んでくれました。友人同士での車の売買は、信頼関係の証。僕たちの友情が、また一つ形になった瞬間でした。
▲この大きなウィッシュが、地獄の密着空間から彼を救うはずだった。
第二幕:5万円の、記憶改竄
車の名義変更から数週間。ポコさんはすっかりウィッシュの快適さの虜になっていました。「キャンプ道具を積んでも余裕だし、長距離も疲れない!」と会うたびに自慢してくるのです。そして共通の友人マークさんを交えて話していた時、その自慢話がきっかけで、事件は起こりました。
ポコさんは、どこか誇らしげに、友人マークにこう語ったのです。
そうそうそう。ななかふぇさんに車を譲ってもらったんだよね。格安の、25万円でな!
…ん? 25万円…?
僕の頭の中に、巨大なクエスチョオンマークが浮かびました。僕が彼に売ったのは、確かに20万円のはず。
差額、5万円。この謎の5万円はどこから湧いて出た…?いや、待てよ。まさか彼は、僕との友情の値段に、サービス料として5万円を上乗せしたというのか…?
その瞬間、僕は全てを察しました。
彼の脳内で、無意識の『記憶の改ざん』が行われたのだと。
おそらく、彼の「見栄っ張りなOS」が、こう判断したのでしょう。
(20万円では安すぎて、友人の情けみたいでカッコ悪い。5万円上乗せして、25万円っていうちゃんとした取引やったことにしとこか)
自分の都合のいいように記憶を書き換え、少しでも自分を大きく見せる。
ああ、なんてポコさんらしい、健気で哀しい自己防衛なのでしょうか。
エピローグ:沈黙という、名の優しさ
僕は、あえてその間違いを指摘しませんでした。
ここで「いや、20万やんけ」とツッコミを入れても、誰も得をしない。ポコさんの小さなプライドが、公衆の面前で傷つくだけです。
彼がその「5万円の幻」で自分のプライドを保てるのであれば、僕は喜んで共犯者になりましょう。
人の記憶は曖昧で、自分に都合のいいように簡単に書き換わってしまう。
そして、時にはその間違いをそっと見過ごしてあげることこそが、友情を円滑に保つ秘訣なのかもしれません。
ポコさんは今も、自分が25万円でウィッシュを手に入れたと信じて疑わないでしょう。そして、その幻の5万円が僕たちの友情の「潤滑油」となり、こうして最高のブログネタとして僕の懐を温めてくれるとは、夢にも思わずに…。
ななかふぇ
人の記憶なんて、本当に曖昧なものですよね。
でも、その曖昧さや、見栄や、プライドも全部含めて、その人らしさなのかもしれません。
あなたの周りにも、こんな愛すべき『記憶の改竄』をする人はいませんか?そして、その嘘に気づいた時、あなたはどんな『優しさ』を選びますか?